台湾でヨット産業が盛んになって40年以上。ヨットの中でも特に豪華なスーパーヨットの製造では、台湾は10年以上連続で世界トップ10に入っています。長さ80フィート(約24メートル)以上の大型ヨット受注の国別統計では、台湾は2022年に世界4位となっています。そんな台湾にあって、高雄のヨットメーカー数は全体の5割以上を占めており、ヨット生産額は8割以上を占めています。高雄は優れた製造技術で台湾のヨット製造の重要拠点となっており、国際的にも評価され、強い競争力を誇ります。
近年、台湾の人々の経済状況が向上し、レジャーや旅行が盛り上がりを見せています。しかし、台湾のヨットハーバー数には限りがあり、ヨット係留や関連サービスを提供する施設が大幅に不足しています。高雄市政府はヨット産業をサポートする立場から、亜州新湾区愛河湾と興達漁港のBOT(Build-Operate-Transfer)方式による開発の入札を相次ぎ実施。高雄のヨット・レジャー産業の今後の発展が期待されています。
亜州新湾区の中心的かつ魅力の詰まった愛河湾には、亜果遊艇集団(ARGO Yacht Club)が2億5000万台湾元(約11億5200万円)を投資し、水域面積3.26ヘクタールの観光ヨットハーバーA区を整備。87隻分の国際レベルの係留バースを備えており、長さ60~145フィート(約18~44メートル)のヨットがホームポートとして利用することができます。また、ヨットクラブと海洋教育センターも設置されています。これにより、70人の雇用機会が創出されたほか、都市中心部に近いヨット係留施設として、周辺の陸上のレジャー・観光サービスやポピュラー音楽業界との有効な連携が見込まれています。
このほか、高雄市の亜湾新創園(スタートアップテラス)と5G AIoTプロジェクトと連携し、係留バースには「5Gスマートクラウド給水給電スタンド」を設置。ハーバー管理を便利でリアルタイム、かつスマートに行えるようにしています。将来的には、5ゴールドアンカー認証を申請し、世界のヨットオーナーに高雄をよりよく知ってもらい、ヨット産業のさらなる発展とスマート化につなげる考えです。
この愛河湾ヨットハーバーが関連産業を盛り上げるだけでなく、高雄亜湾区周辺には、すでに運営を開始していたり、建設中の大型公共工事があり、高雄の産業促進と観光発展という重要任務を担っています。具体的には、高雄ミュージックセンターや高雄ポートクルーズターミナル、高雄市立図書館総館と二期文創会館、高雄エキシビションセンター、駁二エリア、大港橋、環状ライトレール(LRT)、MRTイエローライン、高雄ソフトウエアパークといった施設があります。