サイクリングで楽しむ高雄の街角探索
◎文/李瑰嫻
◎翻訳/新垣李加子
◎写真提供/Eddie
自転車に乗って高雄を旅しよう。ゆっくりとペダルを漕げば、知らなかった高雄を再発見できるはずだ。今回、自転車旅で知られる作家・陳忠利が高雄でできる自転車旅を案内してくれた。他では見られない街角や長く続いた海岸線に田舎道、険しい山々など、高雄の地形はバラエティーに富んでいて、ゆっくりと味わいながら旅するのに向いている。
「自転車の旅は、写真を撮るのに似ている」と陳忠利は言う。「車で移動すると、どうしても速すぎて、見える景色も曖昧になる。逆に歩きだと、細かいところまで見えすぎてしまう。自転車は風景の形が見えて、それに動きも感じられる、ちょうどいい速度なんだ」
陳忠利は台北に住んでいるが、自転車で台湾一周をする際によく高雄を通る。彼の話によると、ここ数年高雄市内の変化は印象的だという。「以前は工場の煙突ばかりだったけど、今は目に見える物も変わってきたし、文化的な変化も感じる。通りが整って、きれいになった」お気に入りなのは、線路跡地から生まれ変わった自転車道(西臨港線自行車道)だ。「次に高雄に来たら車は運転せず、自転車でどこまででも行きたい。それだけで満足だよ」
彼が特におすすめする自転車道は、旗津と西子湾の海岸沿いの道だ。「この道の魅力は、色んな角度から高雄港を見られることだよ」。穏やかな海風に吹かれて、登山街から中山大学へ自転車を走らせる。次はフェリーで旗津に渡り、少し頑張って高雄灯台と旗後砲台まで行ってみる。「ここは、必ず来る穴場スポットなんだ。灯台の下に自転車を停めて、歩道から砲台まで歩くと、目に入るのは高雄港と旗津半島だけ。都市と山、海の景色が一望できる」砲台を離れて旗津魚市場に入ると、新鮮な魚介類が食べられる海鮮料理店が並ぶ。ここでお腹を満たせば、旅の疲れが一掃される。体力が許せばそのまま南へ進んでみよう。中洲からフェリーで真愛埠頭や光栄埠頭まで回ると、また違った角度から高雄港の風情を感じることができる。
都市部を離れ、高雄の山間地帯まで足を伸ばすと、集落に残るたくさんの伝説に触れることができる。陳忠利は以前、桃源区のラアロア族や、那瑪夏区のカナカナブ族の集落を訪れたことがあるという。彼曰く、自転車の旅では、その土地の地理や自然をよく知ることができるという。
高雄はプリズムのように多面的な場所で、見る角度によって違う輝きを放つ。自転車で高雄を旅し、穏やかな時が流れる街を体感しよう。
閱讀中文版:
深度輕騎 發現高雄轉角風景
https://takao.kcg.gov.tw/article/587