水鳥の楽園「洲仔湿地」
◎文/Messi
◎翻訳/有田夏子
◎撮影/Carter
台湾高速鉄道の新左営駅から車で10分弱の距離にある高雄市左営区の蓮池潭の湖畔に、生態に配慮した工法で作られた「洲仔湿地」がある。高雄市政府と自然保全団体の努力によって、洲仔湿地はレンカク(蓮鶴)の楽園となっている。洲仔湿地は、希少動物とされるレンカクの個体数増加に成功したほか、カンムリオオタカ、コウライウグイス、蝶、トンボ、タイワンマドボタル等、さまざまな鳥類や水生動物、水生植物の生活する場となった。この湿地は、高雄市民を都会の慌ただしい生活リズムから解放してくれる都市のオアシスでもある。


洲仔湿地でレンカクの赤ちゃんが誕生
レンカクはかつて環境破壊によって個体数が激減し、保全対象に加えられていた。しかし、高雄市政府と民間団体の努力によって、洲仔湿地には水鳥の生息に適した生態環境が整えられ、今年の4月から9月の繁殖期にはこの湿地でレンカクの赤ちゃんが9羽誕生した。レンカクの赤ちゃんは水中で餌を探したり、ガガブタやヒシなどの浮葉植物の間を泳ぎ回ったり、とても可愛らしい様子だ。
洲仔湿地にはコンクリートの建造物がない。また公園内には、異なる種類の鳥の赤ちゃんの特性に合わせて異なる深さの池が作られている。池にはレンカクの赤ちゃんの好物であるヒシやヒツジグサ等の浮葉植物が植えられている。また、木の多い沼地や草の多い沼地などの生態環境が多様な植物を用いて作り出されている。
都会のオアシスとしての湿地
民間団体と政府の努力により、洲仔湿地公園は「人類よりも生態を優先する」生物保全の地となった。十数年にわたって保全活動を続けた結果、レンカクが生息して巣を築いて新たな命を生み出したほか、カンムリオオタカ、コウライウグイス、コウライキジ等、他の保護対象となる動物たちもここに生息するようになった。記録によれば、この湿地には555種の陸生植物と99種の鳥類が生息している。

水鳥の楽園を訪ねる
高雄市政府工務局養工処によれば、「洲仔湿地は生物種の保全や都市の気温調整などの役割を果たしているだけでなく、高雄市民が自然観察やレジャー、環境教育を行うなど、多目的に活用できる人工湿地である」。この湿地に生息するレンカクの個体数は、昨年(2020年)の調査で最多16羽とされており、また今年8月までに合計9羽のレンカクの赤ちゃんが誕生した。湿地に生息する動植物の生態は、ウェブサイトを経由してリアルタイムで観察することができる。また、洲仔湿地の解説センターを訪れてみるのもよいだろう。入園は無料で、また園内では予約制のガイドサービスが提供されている。
閱讀中文版:
城市綠洲─洲仔濕地探訪水鳥後樂園
https://takao.kcg.gov.tw/article/647