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旗山散策

 

旗山散策

◎翻訳:楊蕙寧(ヨウ ケイネイ)

◎撮影╱貓手香工作室

 

  旗山の古い街並みの休日は普段の静かな平日と全く違って賑わっている。旗山はバナナの名産地として百年もの間風采を放ってきたが、現在では残された建築物や古跡からその輝かしい過去を知ることができる。この古い街並みからはクリエイティブな文化産業や諸々のイベントを通して、かつての栄光を再興させようとする気概が感じられる。

素晴らしきバナナ王国

  清王朝康熙帝の時代、そもそも旗山は原住民である平埔族が住んでいたが、閩南人や客家人がこの地に移住するにつれて、その生活スタイルも変わっていった。当時の旗山は屏東と台南の間に広がる街道であったが、ある老婆が土地の神さまの往来する商人や旅人たちに番薯(サツマイモ)のスープを提供したことから、番薯藔の名前がつけられた。

  旗山の年間平均温度は25度から30度で、年間降雨量は1,500ミリから2,000ミリ、そこに楠梓仙渓の灌漑用水を加えれば、バナナ栽培にとっては最適の環境となる。全盛期の栽培面積は4,000ヘクタールを超え、当時は最大のバナナ産地であった。

  だが、後に輸出先であった日本がフィリピン産のバナナの輸入を決定、台湾のバナナ農家はその競争に負けてしまい、また生産過剰の問題や病虫害が出たこともあって没落していった。しかし、近年バナナ農家は政府と協力して農業のモデルシフトとアップグレードを行い、さらにコミュニティや農業従事者、区役所などと農産品のPRや文化や歴史に関する小旅行のイベントを行うことで、かつての活力を取り戻そうとしている。

建築が刻む輝かしき歳月

  1910年に建てられた旗山駅は、旗山の古い街並みのスタート地点である。本来砂糖を運送するため建てられた日本建築とビクトリア建築を融合したその建物は、遠目には欧風の別荘にも見える。駅舎は主に杉木を使い、窓には檜木が使用されている。壁には木を組み合わせ、その隙間に泥を塗りこめたために冬は暖かく、夏は涼しい構造となっている。地元紳士たちの力で歴史建築物に指定され、現在はリフォームされて「糖鉄故事館」となった。館内では蒸気機関車の先端部分や車両がVR動画と共に展示され、参観者たちはかつて乗客たちが車窓から見えた風景を感じられる。

  旗山の古い街並みには、各時代の異なる建築美を見ることができる。例えば当地にある喫茶店は日本時代に建てられたが、騎楼と呼ばれるアーケードはローマ式を採用して、「亭仔脚」の石の柱は旗尾山の石を使い、更にもち米粉、黒糖、石灰を塗って作られている。文献によれば、当時日本に輸出したバナナの外貨収入は台湾全体の三分の一を占めていた。これによって旗山のバナナ農家は多くの収入を得、この古い街並みにバロック式の建築物が誕生して豊かな時代を過ごせたのであった。建築スタイルは左右対称で、支柱に支えられた雀替托木(梁と柱が直角に交わる部分)も少し違っている。また一番上の正面に家紋を刻むことで、その家の裕福さを示していた。街並みの中盤に差しかかると、日本人が建てたギリシャ・アテネ式の建築物が現れ、その黄色いレンガや洗い出した石など全てが特徴的であったが、日本統治時代末期にはシンプルな作りに戻され、余計な飾りつけはなくなっていった。

  鼓山公園にある孔子廟の前身は日本の神社であった。戦後朱色の柱や四角い間取りは変更されたが、近くには日本時代から残された石碑や建物が数多く残っている。旗山は開発が早かったために歴史的な遺跡が多い。例えば旗山天后宮や旗山農協、旗山小学校に旧鼓山小学校(2016年3月に閉館)などは、高雄市の指定古跡となっている。

地元の価値を売り出し、旗山ブランドを再興

  近年、地元のサークル団体や帰郷した若者らが旗山の文化産業の経営とPR活動を行い、旗山に新たな活気を与えている。外から来た観光客が旗山の古い街並みを散策して、当地の産業や文化をより深く理解できるように活動しているのだ。活動には様々な体験コースが準備され、農業局による一日農家体験や親子旗山バナナ街巡り、また中山大学と協力して企画された青年農家体験企画キャンプ、更に南新コミュニティのバナナ産業イベントなど、バナナ狩りや手作り体験、地元の料理などを通して観光客を満足させ、農家の実質収益を上げることによって、従来の農村の経済スタイルを変えようとしている。

  魔法のおばあちゃんと呼ばれた郭李常美が創立した「常美氷店」のアイスクリーム屋から漂うバナナの香りは、ついつい人を懐かしい気持ちにさせる。伝統的なバナナアイス以外にもゴマやバニラ、ミント味などがあり、ソフトクリームやアイス棒なども売っている。同じくアイスクリーム屋の「小露吃」のアイスは地元の食材を使い、多種類味のジェラートを提供している。そして、独立書店と協力して不定期的に地元の農家やコミュニティ作りをテーマとした展示会を行い、旗山に関する物語を語っている。

  昨年から始まった「旗山マラソン」は、旗山市内からスタートして、渓洲大橋を経由して美濃渓に沿って進み、旗尾山の小路に入って最後は旗山の有名スポットである地景橋を渡っていく。旗山マラソンのコースはバナナ農園まで伸び、選手たちはバナナの生産地を身近に感じることができるので、「バナナマラソン」とも呼ばれている。バナナ農園を走り抜ければ、がっしりとしたバナナの木々が視界の後方へと流れていく。コースの途上、バナナで栄養補給をすることができるが、地元の農産品だけでなく、旗山の店主や各地のコミュニティ発展協会による特製バナナグルメ等も準備されている。例えばバナナを食材として作った饅頭や寒天、スープやケーキ、エッグロール、それにアイス棒などがある。

  こうしたスポーツやバナナの育成、旗山糖工場におけるキャンプイベントなどを通して、旗山は観光を売り出している。糖廠、南勝、南新及び大山コミュニティで行われる旗山小旅行では、台湾各地からやってきた選手たちは旗山を巡ることで、この土地についてより詳しく知っていくことになる。スターターピストルはすでに打ち鳴らされ、旗山はまさに自分なりのやり方で、輝く誇りを胸にこのマラソンを走り抜こうとしているのだ。