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風情あふれる後庄

 

風情あふれる後庄

◎文・撮影/謝宏偉

◎訳/新垣李加子

 

 

 清代の道光年間から造られはじめた用水路・曹公圳は、この百年の間に高雄平原へと流れ着いた。それは南台湾の田畑を育み、かつて日照りの終わりを天に祈るしかなかった土地を肥沃な農地に変えていった。

水路と共に生きる川岸の小村

 大寮区の最北端に位置する後庄集落は、清代にはすでに開かれていたという記録が残っている。初めは小さな農村であったが、今では大寮の主要な村の一つとなっている。生活機能が充実しており、商業も発展している。後庄駅は一九〇八年に作られた大寮唯一の駅である。後庄の大きな特色は、集落の各所にある曹公圳の水路である。その流れは地元住民の生活の一部のようで、水路の上にはたくさんの小さな橋がかかっている。上を走る道路と下を走る水路が合わさった風景は後庄の日常だといえる。

「劫富濟貧」の義賊―朱おじさん

 後庄の小路に佇む朱伯公祠(朱おじさんの祠)は、一見しただけではどこにでもある小さな廟であるが、実は後庄の信仰の中心的な施設である。外の対聯(対の掛け軸)には「朱府英豪護國媲美施仁義(英雄・朱氏が国を護ったことは仁義を施すと同等である)」、「伯爵烈士忠貞傳千古流芳(彼の忠節は千年後も伝説として残る)」と書かれてある。朱おじさんはその本名を「朱秋」と言い、任侠にあふれ、劫富濟貧(金持ちの財産を奪い貧民を救う)の義賊であったが、後に悪党に遭って亡くなり、その後精霊となってこの村を守り続けた。住民たちは資金を集めて彼を祀る祠を建てたが、それがこの朱伯公祠である。旧暦の八月十三日は朱おじさんの誕生日で、毎年その日は集落内でお祝いの行事が行われる。祠のそばには樹齢二・三百年の竜眼の樹が立っていて、大寮の重要な古樹の一つである。

治水と生態エリアを兼ね備えた庄後の花園―山仔頂溝滯洪池

 二〇一三年に完成した山仔頂溝遊水地は、高雄にとって重要な水利施設である。面積は五・七ヘクタール、最大畜水量は二二・五万トンにもなる。この遊水地は、商工業の発展によって少なくなった土地を増やすために造られたが、遊水地があることで水量の調節や水質浄化が可能になった。また、重力で水を入出流させることや、台風や豪雨による水害の改善、地下水を増やすことにも効果を発揮している。

 山仔頂溝遊水地は洪水を防ぐ機能のほかに、多様な動植物が生息する湿地公園としての一面も持っている。水岸にはクロヨナやサガリバナ、クスノキといった植物が植えられ、バン、アジアマミハウチワドリ、タカサゴモズなどの鳥たちが水上や岸辺で気ままに移動している。岸辺には遊歩道もあり、そのそばには園芸エリアと休憩場所が設置されている。訪れた人達は動植物の近くまで寄って観察したり、散歩しながら景色を眺めたりでき、休日の運動やレジャーにぴったりの場所だ。時には池の岸辺で静かに釣り糸を垂らす人を見かけることもある。山仔頂溝遊水地は水を生かした自然教育の場である一方で、様々な機能を備えた湿地でもある。庄後人にとっての美しい花園といえるだろう。